自分は密閉型ヘッドフォンの愛用者なのだが、手元の3つを較べてみようと思う。ただし、オーディオにすこぶる詳しい訳でもないし、オーディオメーカーに勤めている親戚もいない。単なる一般人の感想だ。
モニター用と言われているオーバーヘッド密閉型の3種類。
まずは城下工業製SW-HP10です。業務用としてCDショップの試聴コーナーで見かけたりしていたが音に大きなクセがなくジャンルを選ばない。耳を挟み込む力もほどほどに緩いので長時間装着していても疲れない。この製品の延長線上にヘッドホン・イヤホン専門店のe☆イヤホンさんからSW-HP11というのがある。ケーブルが交換式のMMCX対応だったり、独自のチューニングをされているようで聴いてみたいところ。
次にSONYのMDR-CD900STです。こちらも業務用(スタジオ使用)となっており、amazonとかで普通に買えるソニー製品なのに保証期間がなく、箱も素っ気ない茶箱だった。この製品の評価はかなり分かれているようだが、私としては多くの方が仰っているように今まで聞こえなかった音が聞こえるヘッドフォンという意見に賛成できる。が、そもそもアンプのボリューム位置が同じなら今回比較の3機種の中では一番音が大きく聞こえる。なのでちょっとした音だってハッキリ聞こえるようにも思える。音はフラット過ぎて音楽としては面白みに欠けるかも知れないがモニター用途なら当然なんだろう。けれどそれ以外にも演奏している部屋の広さが分かるような広がり感も感じられ、そのへんが底力ってやつなのかな。重さは一番軽いみたいだし造りは至って簡素な業務用だが、交換用の耳パッドだけ売ってたりで長年使用できるという事なのだ。注意点はプラグが標準サイズなのでWALKMANやスマホで使うには変換が必要。まっすぐタイプのプラグ変換をすると、とんでもなく機器から出っ張って使いにくい(それに危ない)ので、変換は短いケーブル型がオススメか。
3つめはオーディオテクニカのATH-M50x。自分のは色つきのATH-M50xDBです。(なぜかDBってのがブラウン・グリーンらしい) こちらもモニター用として世間では評価されているので買ったのだが、ちょっとゴツくてスペックよりも重く感じた。ヘッドバンド部分のカドが頭に当たって慣れるまでは痛い。さらに加えて耳を挟む力が強いのでこちらも慣れないうちは圧迫感強し。ただその分密閉性とか遮音性は良いように思う。音質は前述の2機種よりも低音が膨らんで聞こえる。ドンシャリという意味ではないが音の重心は低いと思う。こちらも耳パッドだけ買えるみたい。ケーブルが3種類付属しているのも親切。
いずれも個性があって面白い。低音が重要だという人にはたぶんどれも物足りないだろう。低音が出ていないのではなく誇張されていないので少なく感じるのだ。高音も同じくカッチリ高音が尖っているのが心地よい人には、こもったように聞こえるのかも知れない。フラットな特性ってのは案外つまらない音なのかも。そして今、どれかひとつ選べと言われたら城下工業のSW-HP10かも知れない。そのくらい長時間のリスニングでも疲れないのだ。こうなってくると、e☆イヤホンさんのSW-HP11が気になる。
それにしても実売価格と音の印象とがバラバラな感じに思えたのは意外でした。
城下工業 SW-HP10 |
SONY MDR-CD900ST |
オーディオテクニカ ATH-M50x |
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構 造 | オーバーヘッド / 密閉型 / ダイナミック型 | ||
ドライバ | 40mm | 40mm | 45mm |
音 圧 | 103 db | 106 db | 99 db |
インピーダンス | 40 Ω | 63 Ω | 38 Ω |
周波数域 | 20Hz ~ 20KHz | 5Hz ~ 30KHz | 15Hz ~ 28KHz |
本体重量 | 280 g | 200 g | 285 g |
ケーブル | 2.5 m | 2.5 m | 1.2m 1.2m(カール) 3.0m |
実売価格 (税込) 2015年12月時点 |
\9,800 | \14,900 | \19,000 |